リチウム資源 イオン液体を用いた革新的海水リチウム資源回収の研究

現在、リチウム資源の回収に関する研究を行っておりす。
初回は、本研究の概要につきまして説明したいと思います。

1.研究の背景
 近年、地球温暖化緩和に向けた低炭素化社会実現のため、電気自動車、家庭用蓄電池等の大型リチウムイオン電池開発が進み、原料となるリチウム資源の需要は急増しています。
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出典:日経BP コンサルティング「未来予測レポート エレクトロニクス産業 2011-2025」

リチウムは、全元素112種の内、特に希少なレアメタル31元素の一つであり、レメタルの確保は世界各国の国策課題となっています。日本では海外輸入に100%頼っており、リチウムの国内安定確保は、我が国の産業発展のため戦略的に取組むべき課題です。


2.研究の目標
 リチウムは、南米では塩湖から回収していますが、海水にも微量に存在します。リチウムイオン電池の世界シェア2位の韓国は、既に国策として産学官連携にて海水からのリチウム資源回収技術の実用化に着手していることから、我が国は四方を海で囲まれているだけでなく、海流にも恵まれている利点を活かし、海水からリチウムをより効率的に回収する革新的資源回収技術の実用化を目指します。
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3.研究の特色
 リチウムのみを選択的に通す性質を持つイオン液体に着目し、本液体をリチウムの分離膜として利用し、減塩醤油製造等で実用化されている電気透析技術を応用した新手法を発案しました。特に低消費電力でのリチウム回収が可能なため、高効率リチウム回収システムが構築できる点が革新的であり、他国の手法より短時間で大量のリチウム資源を海水から回収できる可能性を有する事を特色とします
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 実際の海水を用いたリチウム資源回収の予備的試験(テスト装置による短時間試験)では、海水に高濃度に含まれるマグネシウム(Mg)及びカルシウム(Ca)は検出されず、ナトリウム(Na)及びカリウム(K)も極めて低い濃度(回収率)でした。対して、リチウム回収率は5.94%と低電圧で短時間の測定にもかかわらず高い回収率となり、高効率でリチウムを海水から回収する手法に見通しを得ました
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4.将来的に期待される効果や応用分野
 本研究が実用化された際は、使用済リチウムイオン電池等の都市鉱山からの効率的リサイクルにも技術が応用可能な為、資源の有効活用による経済的効果が期待されます。また、無尽蔵な燃料を利用した次世代発電炉として期待される核融合発電の燃料製造や発電のための熱を作るためにリチウムは不可欠であり、海水及びリサイクルにより得られたリチウムは核融合発電でも活用できます。更に、他のレアメタル回収に適したイオン液体を用いることによって、様々なレアメタルが海水から回収可能になります。


本研究に関します、
ご意見、ご感想、ご要望、ご質問や、コメント、素朴な疑問を頂けますと幸いです。

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今後の研究情報発信内容・方法等についての参考としたく思います。

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この記事へのコメント

素人ですが質問です
2011年12月30日 00:00
今回の記事で海水Liの回収に興味を持ちました!
素人の質問で大変恐縮なのですが、お伺いしたいことがあります。
次回以降で説明されるご予定かもしれませんが、工業利用までのトータルのシステムで見たときの効率が知りたいです。
例えば、従来の方法ではLi(あるいは化合物)1kgを回収するのにどれだけのエネルギーが必要で、本研究を用いることでそれがどう変わるか、そして最終的な目標はどれくらいか、
ということを教えていただけると、素人の私でも感覚がつかみやすく、非常に助かります。
よろしくお願い致します。
Facebookより
2012年01月01日 13:48
海水をきれいにする必要はないの?

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  • VISVIM サンダル

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